第14章 1 Corinthians 13:4
新宿のキャンパスに入ったとこで、潤から着信があった。
「もしもし?」
『あ、翔?久しぶり。今どこ?』
「久しぶり。今は信濃町のキャンパス入るとこだけど?」
『お?まじで?ちょうどよかった。俺もそっち行くから、ちょっと時間くれね?』
「ああ…1時間後くらいだったら」
『了解。じゃそのころまた連絡する』
「ああ」
ウキウキと弾んだ声だった。
なにか、智のことでわかったことがあるんだろう。
聞くのが怖い気もした。
でも、ちょっとでも智の治療のためになるのなら、情報はいくらあっても足りない。
それがどんなに苦しい話でも…
どんな事でも潤から聞かなきゃならないと思ってる。
教授からありがたい資料をたんまりと受け取って、新学期から始まる個別のカリキュラムについて軽く説明を受けた。
詳しいことはまた新学期にということだったが、聞いた感じだと2年の時よりもますます時間がなくなりそうだなと思った。
両手いっぱいに資料を持って、教授の居る研究棟を出た。
「…医者になるって大変…」
わかってたことだけど。
キャンパスの中は春休み中ということもあって人影も少なかったから、思わず独り言が漏れ出た。