第26章 木兎光太郎 大人になった僕達は
木兎side
花澄ちゃんの荷物を運ぶ為に来てもらった仲間達が
次々に花澄ちゃんを口説き落とそうとしているのに
自分がそんな立場になっていると気付いていない鈍感な彼女は
賑やかな仲間達をみて昔を懐かしむように
優しく微笑む
それはもう天使顔負けの可愛い笑顔で
「そんな可愛い顔で他の男見るの禁止‥」
その可愛い顔を見られないように
小さな身体をすっぽりと腕の中に抱き締めると
パッと顔を赤く染める
『あ‥あのっ‥木兎さん‥みなさんがいますし‥』
もぞもぞと腕の中で動く身体
恥ずかしそうに潤んだ瞳
これは
ヤバい
また俺の俺が元気になってしまいそうだ
「そうですよ木兎さん。花澄さんが困っています」
ハッと気がつくと
赤葦がしれっと優しい顔を花澄ちゃんに向ける
「もうええからはよ花澄ちゃん家行こ!!これ以上俺の傷を抉らんとってくれ‥」
それぞれが好き勝手に騒いで
まるで高校生の時に戻ったみたいな騒がしさに
懐かしくてなんかスッゲー楽しくなった
あの頃もあれはあれで最高に楽しかったけど
今は花澄ちゃんが
俺の 彼女
「その嬉しそうな顔‥なんか腹立ちますね」
「待ってツッキー!帰んないで!」
帰ろうとするツッキーの背中にしがみつくと後ろから鈴を転がしたような可愛い笑い声が聞こえてきた
『ふふっ‥ほんと‥‥高校生に戻ったみたいですね』
「「「「「「ー!!!」」」」」」
破壊力抜群の笑顔に
その場にいた男達全員がハッと息を呑んだ
「はっ!だからっ!!その可愛い顔見せるの禁止って!!」
慌てて腕の中に隠すとまだころころと嬉しそうに笑っている
「とにかく!!花澄ちゃんに触れるの禁止!!だけど今日は宜しく!!」
『ふふっ‥すみません‥みなさん、宜しくお願いします』
目尻に滲む涙を細い指で拭うとみんなにぺこりと頭を下げる
それからみんなで花澄ちゃん家に行って
まだ荷解きも終わっていない荷物を次々と運んでいく
花澄ちゃんに触れるのを禁止という約束を軽々と破りながら