第10章 最終決戦…
無惨が消滅した後――。
朝の光が差し込む中、鬼殺隊の隊士たちは次々と隠に運ばれ、手当てを受けていた。
「痛ぇ……」「動けない……」と、あちこちから呻き声が聞こえる。
飛羽も傷の手当てを受けながら、ふと柱たちの顔を見渡した。
「……あれ?」
何かが引っかかる。
「ねぇ……ちょっと待って」
飛羽は実弥を見る。
次に悲鳴嶼、伊黒、蜜璃、時透、そして自分の腕へ視線を落とした。
「……誰か、痣を発現させた?」
「……は?」
実弥が眉を寄せる。
「今さら何言ってやがる」
「いや、だって……」
飛羽は困惑する。
本来なら、痣を発現させた者には、その代償として二十五歳までしか生きられない。
そのことを、柱合会議であまねから聞いていた。
「……あたしの知ってる未来と、また違う」
「どういう意味だァ?」
「無惨は倒せた。でも……誰が痣を出したのか、覚えてない」
「俺は出してねェぞ」
実弥が答える。
「俺もだ」
伊黒も答える。
蜜璃も首を傾げた。
「私も……」
時透も静かに答える。
「僕も、出してない」
飛羽はさらに考え込む。
「じゃあ……」
その時、悲鳴嶼が静かに口を開いた。
「私も痣は出していない」
「……全員?」
飛和の背筋に、嫌な予感が走る。
「待って……」
飛羽は呟く。
「じゃあ、あの話自体が……変わってる?」
実弥が飛羽を見る。
「何をそんなに怯えてやがる」
「だって……痣を出した人が二十五歳までしか生きられないって……」
「……それが?」
飛羽は拳を握る。
「誰も痣を出してないなら――もしかして、みんな……」
言葉が続かない。
実弥はそんな飛羽を見て、ふっと鼻を鳴らした。
「だったら、長生きできるってことだろォ」
「……え?」
「何を難しく考えてやがる」
実弥は飛羽の頭を軽く撫でる。
「生き残ったんだ。これから先のことを考えろォ」
飛羽はしばらく黙っていたが――。
「……うん」
初めて、未来に対する恐怖ではなく、未来への希望を感じた。