第10章 最終決戦…
手当てを受けながら、飛羽は柱たちを見回した。
「……ねぇ」
「何だァ?」
実弥が振り返る。
飛羽は少し考え込んだあと、ぽつりと言った。
「これ……ファンに怒られちゃうね〜」
「…………は?」
実弥だけでなく、その場にいた全員が固まった。
「ファン……?」
伊黒が眉をひそめる。
「何の話だ?」
「え、あ……」
飛羽はしまったという顔をする。
「いや、その……あたしの知ってる未来だと、色々あったから……」
「色々とは?」
しのぶが興味深そうに尋ねる。
飛羽は誤魔化すように笑った。
「ほら、物語って途中で展開が変わると怒る人いるじゃん?」
「……物語?」
時透が首を傾げる。
「誰かが見ている話なの?」
「そうそう。あたしたちの人生を……」
そこまで言って、飛羽は口を閉じた。
全員の視線が集まる。
「……?」
炭治郎が不思議そうに飛羽を見る。
「飛羽さん、さっきから誰と話してるんですか?」
「いや、だから……」
「ファンって何だァ?」
実弥が怪訝そうに聞く。
「えっと……応援してくれる人?」
「応援……?」
蜜璃がぱっと顔を明るくする。
「じゃあ私にもいるのかしら!?」
「たぶん……」
「たぶんって何だァ」
実弥の眉間に皺が寄る。
飛羽は頭を抱えた。
「……やばい。完全に話しちゃいけないこと話してる」
伊黒がじっと飛羽を見る。
「お前……以前から妙なことを言うと思っていたが」
「……気のせいだよ」
「なら、なぜ汗をかいている?」
「暑いから!」
「朝だぞ」
「……」
飛羽は黙り込む。
しのぶがくすっと笑った。
「どうやら、飛羽さんにはまだまだ秘密がありそうですね」
「秘密っていうか……」
飛羽は空を見上げる。
「まあ、もういいや!」
そして笑った。
「ファンのみんな、ごめん! あたし、未来変えちゃった!」
「「「…………」」」
全員が完全に置いていかれている。
実弥だけが頭を抱えた。
「……誰か、こいつの話を翻訳しろォ」
「俺にも無理です!」
炭治郎が即答した。
「だろォなァ!!」