第11章 最終決戦の後…
――それから、さらに長い年月が流れた。
鬼殺隊が解散してからも、実弥と飛羽は穏やかに暮らしていた。
そんなある日――。
「じいちゃん、ばあちゃん!」
冬弥が嬉しそうに駆け込んでくる。
「ひ孫が生まれたよ!」
「……ひ孫ォ?」
実弥が目を丸くする。
冬弥の腕に抱かれていた小さな赤ん坊を見た瞬間――実弥は固まった。
「…………俺に似てねェかァ?」
「ふふっ。本当だね!」
赤ん坊の髪も目元も、まるで実弥の生き写し。
「名前は、実弘だよ」
「実弘……いい名前だなァ」
実弥が小さな手を握ると、実弘はぎゅっと指を握り返した。
「……ははっ」
その顔には、珍しく優しい笑みが浮かんでいた。
――そして、さらに年月が経った。
青年となった実弘は、驚くほど実弥にそっくりだった。
「実弥、おじいちゃんにそっくりすぎるよね」
飛羽が笑う。
「俺もよく言われます」
そんな実弘が選んだ道は――警察官だった。
「俺、人を守る仕事がしたい」
その言葉に、実弥は静かに頷く。
「……そうかァ」
「じいちゃんも、ずっと人を守ってきたんだろ?」
「あァ。だが俺たちの時代には鬼がいた。今はもういねェ」
実弥は実弘の警察官の制服を見つめる。
「だから、お前はその制服で人を守れェ」
「うん!」
実弘は力強く頷いた。
「俺、じいちゃんみたいな人になるよ」
「……馬鹿野郎」
実弥は照れ臭そうに笑い、実弘の頭を乱暴に撫でる。
「俺より、もっと立派になれェ」
少し離れた場所で見ていた飛羽は、微笑みながら二人を見つめていた。
鬼殺隊の時代は終わった。
けれど――人を守りたいという想いは消えない。
実弥から冬弥へ。
そして、実弘へ。
今度は刀ではなく、警察官の制服を身にまとい、その想いは次の世代へ受け継がれていった――。