第11章 最終決戦の後…
それから長い年月が流れた――。
実弥と飛羽の息子・冬弥は、立派な青年へと成長していた。
そして今日は――冬弥の結婚式。
「……本当に大きくなったなァ」
実弥は腕を組みながら、息子の晴れ姿をじっと見つめていた。
「父さん、そんなに睨まないでよ」
「睨んでねェ。……感慨深ぇんだよォ」
隣では飛羽が涙を浮かべている。
「冬弥……こんなに立派になって……」
「母さん、泣かないでよ」
冬弥は照れ臭そうに笑った。
式が始まり、冬弥は愛する人と並んで歩く。
その姿を見ながら、実弥は幼い頃の冬弥を思い出していた。
初めて抱き上げた日のこと。
小さな手で自分の指を握ったこと。
転んで泣いた夜、必死にあやしたこと。
「……あっという間だったなァ」
「うん……」
飛羽が実弥の手を握る。
やがて誓いの言葉が終わり、二人が笑顔を交わす。
その瞬間――実弥は立ち上がった。
「冬弥ァ!」
「父さん?」
「幸せにしてやれよォ!」
「分かってる!」
「泣かせたら許さねェぞォ!」
「実弥、そこまで!」
飛羽が慌てて止める。
会場から笑い声が起こった。
「……父さん」
冬弥は少し照れながら、実弥に向かって頭を下げる。
「俺、父さんと母さんみたいな夫婦になるよ」
「……そうかァ」
実弥は目を細め、息子の肩を強く叩いた。
「なら、もう何も言わねェ」
その夜。
家族三人で撮った最後の一枚。
幼い冬弥を抱いた若い頃の実弥と飛羽。
そして今、立派な青年になった冬弥とその隣にいる伴侶。
写真を見つめながら、飛羽は微笑んだ。
「私たち、ちゃんと親になれたね」
実弥は静かに頷く。
「あァ……最高の息子だァ」
そして冬弥は、新しい家族と共に未来へ歩き出した。
その背中を、両親はいつまでも温かく見守っていた――。