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一期一会【鬼滅の刃 不死川実弥夢】

第8章 柱稽古……とは?


柱稽古の合間――。

飛羽と実弥は、屋敷から少し離れた神社の境内で向かい合っていた。

「もう一回いくよ、実弥!」

「あァ。今度は手ェ抜くんじゃねェぞォ」

「それ、こっちの台詞!」

飛羽が刀を構える。

「酒の呼吸――!」

一気に踏み込む飛羽に、実弥も風の呼吸で応じる。

「まだ甘ェ!」

「だったら捕まえてみなよ!」

二人の刀が激しくぶつかり合う。

「……随分と楽しそうだな」

不意に声がして、二人が振り向く。

そこには伊黒が立っていた。

「伊黒?」

「柱稽古とは聞いていたが……随分と仲良く二人きりで稽古しているんだな」

「だから、ただの稽古だってば」

伊黒は実弥をちらりと見る。

「俺には夫婦喧嘩にしか見えないが」

「誰が夫婦だァ!」

実弥の怒声が境内に響く。

飛羽は苦笑した。

「伊黒、相変わらずネチネチ言うねぇ」

「事実を言っているだけだ」

「……そんなに気になるなら、伊黒もやる?」

「俺も?」

「うん。三人でやった方が実戦的じゃない?」

伊黒は少し考え、刀を抜く。

「……いいだろう」

「おい、伊黒ォ。手加減する気はねェぞ」

「こちらもそのつもりはない」

飛羽も刀を構え直す。

「じゃあ、始めよう!」

次の瞬間――。

「風の呼吸!」

実弥が踏み込む。

「蛇の呼吸・壱ノ型!」

伊黒の刀が鋭く曲線を描く。

「酒の呼吸・壱ノ型!」

飛羽も二人の間へ飛び込んだ。

三人の刀が激しくぶつかり合う。

「飛羽、右だァ!」

「分かってる!」

「不死川、隙があるぞ」

「テメェに言われるまでもねェ!」

互いの動きを読みながら、三人は何度も斬り結ぶ。

やがて――。

「……はぁ、はぁ……」

飛羽が肩で息をする。

伊黒も息を整え、実弥は刀を下ろした。

「……悪くねェなァ」

「珍しく褒めたな」

伊黒が呟く。

「うるせェ」

飛羽は笑った。

「三人でやるのも結構楽しいね」

「……まあな」

実弥が小さく答える。

伊黒は二人を見て、ぼそり。

「……やはり仲が良すぎる」

「まだ言うのかァ!!」

神社に、実弥の怒声が響き渡った。
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