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一期一会【鬼滅の刃 不死川実弥夢】

第8章 柱稽古……とは?


夜の屋敷――。

「お前らァ……なに覗き見してやがんだァ!?」

実弥の怒声が響き、炭治郎たちは一斉に固まった。

「す、すみません!」

隊士たちが頭を下げる。

しかし炭治郎は、いつもの調子で真っ直ぐ実弥を見た。

「お二人が仲良いなって、みんなで話してました!」

「…………」

その場の空気が凍る。

隊士たちは心の中で叫んだ。

(炭治郎ォォ!! 今それ言う!?)

実弥のこめかみに青筋が浮かぶ。

「……ほォ?」

「はい! 飛和さんといる時の不死川さん、普段より穏やかな匂いがします!」

「テメェ……」

飛羽は慌てて割って入る。

「実弥、落ち着いて! 炭治郎は悪気ないから!」

「分かってるァ!」

実弥は炭治郎たちを睨みつける。

「だがなァ……覗き見してた罰は受けてもらうぞォ」

「え?」

「今から全員――打ち込みだァ」

「ええええ!?」

隊士たちが悲鳴を上げる。

「休憩は?」

「ねェ」

「水分補給は!?」

「動きながら飲めェ」

「鬼殺隊ってこんなに厳しいんですか!?」

「黙って構えろォ!」

実弥の怒号とともに、木刀が一斉に振り下ろされる。

「せぇぇい!!」

「遅ェ!」

「もっと踏み込めェ!」

「はいっ!」

飛羽も隣で隊士たちを指導する。

「ほらほら! 炭治郎も止まらない!」

「はい!」

気づけば、休憩はほとんどない。

倒れれば起こされ、動きが止まれば打ち込まれる。

「もう……無理……」

「立てェ!」

「ひぃぃ!」

こうして――。

実弥の無限打ち込み稽古に、ほぼ休憩なしという地獄の強化版が誕生した。

飛羽は遠い目をしながら呟く。

「……覗き見って、怖いね」

「原因の半分はテメェらだァ!」

「ですよねぇ……」

道場には、隊士たちの悲鳴と実弥の怒声がいつまでも響いていた。
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