第8章 柱稽古……とは?
休憩時間。
隊士たちは道場の隅でおはぎを食べながら、ようやく一息ついていた。
飛羽も実弥の隣で抹茶を飲んでいる。
その二人をじっと見ていた炭治郎が、突然口を開いた。
「……あれ?」
「ん?」
飛羽が振り向く。
炭治郎は二人を交互に見た。
「飛羽さんと不死川さんって、同じ匂いがします!」
「……は?」
実弥が眉をひそめる。
炭治郎は悪気なく続けた。
「前から思ってたんですけど、二人が一緒にいる時って、なんだか安心するような匂いがして……」
隊士たちの手が止まった。
「……」
「…………」
誰もが思った。
――炭治郎、それは今言うことじゃない。
――というか、禁句では!?
しかし炭治郎はさらに追撃する。
「もしかして、お二人って付き合ってるんですか!?」
「「「…………!!」」」
道場が凍りついた。
飛羽は抹茶を吹き出しそうになる。
「た、炭治郎!?」
隊士たちは一斉に実弥を見る。
(頼む……否定してくれ……!)
(不死川さん、怒るぞ……!)
ところが。
実弥は眉一つ動かさず、湯呑みを置いた。
「……だからどうしたァ?」
「「「えぇぇぇ!?」」」
隊士たちが心の中で絶叫する。
飛羽も顔を真っ赤にした。
「ちょ、実弥!?」
「付き合ってちゃ悪ィのかァ?」
「いや、悪くはないけど……!」
実弥は平然と抹茶を啜る。
「俺が誰と付き合おうが、テメェらには関係ねェだろォ」
「そ、そうですけど……!」
炭治郎は嬉しそうに笑った。
「やっぱり! そうだったんですね!」
「だから何でそんな嬉しそうなんだァ!」
実弥が怒鳴る。
隊士たちは互いに顔を見合わせた。
――否定しないどころか、ほぼ認めてる……。
飛羽は真っ赤になりながら実弥の袖をつまむ。
「……もう、実弥ったら」
「事実だろォ」
「……っ!」
その一言で、飛羽の顔はさらに赤くなった。