第8章 柱稽古……とは?
数日後――産屋敷邸。
柱合会議が開かれていた。
しかし、お館様は病が進行し、皆の前へ出ることが難しくなっていたため、妻のあまねが代わりに会議を取り仕切っていた。
「本日は、悲鳴嶼様から提案がございます」
「俺から話そう」
悲鳴嶼が静かに口を開く。
「無惨との決戦に備え、鬼殺隊全体の力を底上げする必要がある。柱が隊士たちを直接鍛える、柱稽古を行いたい」
飛羽は真剣に頷いた。
「なるほど……」
各柱がそれぞれの得意分野を活かし、隊士たちを鍛えることになる。
その時、あまねが静かに続けた。
「もう一つ、お伝えしておかなければならないことがあります」
柱たちの視線が集まる。
「痣についてです」
飛羽の表情が変わった。
「痣を発現させた者は、例外なく二十五歳を超えて生きられないと言われています」
「……!」
室内に重い沈黙が落ちる。
「二十五歳……」
飛羽が小さく呟く。
実弥は眉を寄せた。
「くだらねェ……」
「不死川さん?」
「そんなもん、信じてたまるかァ」
その言葉に、飛羽は実弥を見つめる。
しかし、あまねは静かに続けた。
「これは、あくまで伝承として残されているものです。ですが、痣を発現させるということが、それほどまでに身体へ負担をかけるものだということは覚えておいてください」
飛羽は拳を握る。
――自分たちは、命を削って戦うことになる。
それでも誰も、退くとは言わなかった。
「……やるしかないね」
飛羽が呟く。
悲鳴嶼も静かに頷いた。
「南無阿弥陀仏……」
こうして柱稽古が始まる。
無惨との決戦を目前に、鬼殺隊は最後の力を振り絞り、己を鍛え始めるのだった。