第7章 刀鍛冶の里へ…
半天狗の身体から分裂した鬼が、猛烈な風を巻き起こした。
「――飛ばされるぞ!」
無一郎が身構える。
次の瞬間、轟音とともに突風が部屋を吹き抜けた。
「くっ……!」
無一郎の身体が畳ごと押し流され、障子を突き破って外へ飛ばされる。
「時透くん!」
飛羽も必死に足を踏ん張った。
「こんな風……っ!」
床に刀を突き立て、どうにか耐える。
しかし――。
「っ……!」
足元が崩れた。
「飛羽さん!」
炭治郎の声が遠ざかる。
「炭治郎! 無一郎を――!」
最後まで言い切る前に、飛羽の身体も宙へ放り出された。
「うわぁぁぁっ!」
木々の間を何度も転がり、ようやく地面に叩きつけられる。
「……いったぁ……」
飛羽はふらつきながら起き上がった。
辺りを見回す。
「……ここ、どこ?」
そこは刀鍛冶の里から離れた、深い森の中だった。
飛羽は刀を確認する。
「……よし。刀はある」
身体の痛みに顔をしかめながら立ち上がる。
「炭治郎たちは……大丈夫かな」
遠くから、かすかに戦闘音が聞こえる。
「……まだ戦ってる」
飛羽は木々の向こうを睨む。
「早く戻らないと」
しかし、道は分からない。
「……ったく。よりによって森の中って……」
飛羽は小さくため息をつき、刀を握り直した。
「待ってて、炭治郎。無一郎」
そして、戦いの気配を頼りに森の奥へ駆け出した。