第7章 刀鍛冶の里へ…
炭治郎は何度も縁壱零式へ斬りかかっていた。
「はぁっ……はぁっ……!」
「まだまだ!」
飛羽は腕を組みながら見守る。
「炭治郎、力みすぎ。相手の腕を全部見ようとしないで、動きの始まりを見て」
「はい!」
炭治郎は呼吸を整えた。
そして――。
「……!」
六本の腕が一斉に動く。
炭治郎は一歩下がり、攻撃の軌道を見極める。
「そこだ!」
刀が縁壱零式の腕をかすめた。
「今の!」
飛羽が思わず笑う。
「いいじゃん!」
炭治郎も嬉しそうに振り返った。
「飛羽さんの言う通りにしたら、少し見えるようになりました!」
「でしょ? でも、ここからが大変なんだよ」
飛羽がそう言った瞬間――。
縁壱零式がさらに激しく動き出した。
「うわっ!」
炭治郎が慌てて後退する。
「小鉄くん!? これ、速度上がってない!?」
「縁壱零式は本気になったんです!」
「本気って何!?」
飛和は吹き出した。
「頑張れ炭治郎!」
「飛羽さん、笑ってないで助けてください!」
「いやいや、稽古だから!」
炭治郎は必死に攻撃をかわす。
そして最後の一撃を紙一重で避け――。
「――ここ!」
刀を振り抜いた。
ガキィン!
縁壱零式の腕が大きく弾かれた。
「やった!」
炭治郎が息を切らしながら笑う。
飛羽も嬉しそうに頷いた。
「うん。ちゃんと強くなってる」
「ありがとうございます!」
その時だった。
森の奥から、ふっと風が吹く。
飛羽は一瞬だけそちらへ目を向けた。
「……?」
何かが聞こえた気がした。
だが、気のせいだと思い直す。
まだ鬼の気配には気づかない。
「さて、炭治郎」
飛羽は刀を抜いた。
「次はあたしも付き合おうか?」
「えっ!?」
「昔ここで鍛えてもらった経験者として、ちょっとくらい手本を見せてあげる」
「お願いします!」
飛羽は縁壱零式の前に立つ。
「久しぶりだね」
六本の腕が動き出す。
飛羽は笑った。
「――また稽古、よろしく」