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一期一会【鬼滅の刃 不死川実弥夢】

第2章 全てはここから。




藤の花に囲まれた山。

飛羽は深く息を吸い、暗い森へ足を踏み入れた。

「……七日間、か」

頭では知っている。

けれど、実際にこの山に入ると恐怖が込み上げてくる。

「……絶対、生きて帰る」

刀を握りしめた。

しばらく進んだところで、茂みが揺れる。

――鬼。

「来た……!」

鬼が飛びかかってくる。

飛羽は横へ跳び、爪をかわす。

「速い……!」

正面からでは危険。

相手の動きを見ながら距離を取り、鬼が突っ込んできた瞬間――

「そこ!」

身体を低く沈め、刀を振り抜く。

首が落ち、鬼は灰となって消えた。

「……一体目」

息を整える間もなく、別の方向から気配。

今度は二体。

「……まとめて来るか」

飛羽は木々を利用して鬼同士の動きを分断し、一体ずつ確実に首を斬っていく。

夜が明けても、戦いは終わらない。

二日目。

三日目。

傷は増え、疲労も蓄積する。

それでも飛羽は無理をしなかった。

「……逃げられるなら逃げる。勝てないなら隠れる」

原作を知っているからこそ、無駄な戦いは避ける。

そして四日目。

森の奥で、鬼に追われている隊士を見つけた。

「――こっち!」

飛羽が鬼の注意を引く。

隊士を逃がしたあと、一人で鬼と対峙する。

「……あたしだって、助けられる命は助けたいんだよ」

最後は渾身の一撃。

鬼の首が落ちる。

五日目。

六日目。

そして――七日目。

朝日が森を照らした。

鬼たちの姿が次々と消えていく。

「……終わった」

飛羽はその場に座り込んだ。

刀を握ったまま、空を見上げる。

「……生きてる」

ようやく実感する。

「……兄貴に、帰ってきたって言わなきゃ」

こうして鋼鐵塚飛羽は、七日間の最終選別を生き抜いた。

その胸には、鬼殺隊士として生きる覚悟と――

必ず兄のもとへ帰るという約束があった。
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