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一期一会【鬼滅の刃 不死川実弥夢】

第3章 地獄の稽古と那田蜘蛛山




「――酒の呼吸、伍ノ型・鬼殺し!」

飛羽が一直線に駆け抜ける。

累の首が、宙を舞った。

「……え?」

炭治郎は目を丸くする。

「飛羽さん……今、累の首を……?」

飛羽は刀を振り払い、納刀した。

「うん。斬ったよ」

その直後――

「……何をしている」

木々の間から、冨岡義勇が姿を現した。

「冨岡さん!」

義勇は倒れた累と飛羽を交互に見る。

「……十二鬼月を、お前が?」

「そうだけど?」

義勇は珍しく目を見開いた。

上弦に近い力を持つ累を、あまりにもあっさりと斬った飛羽。

「…………」

義勇が無言になる。

「冨岡さん?」

「……いや。何でもない」

その時――

「まぁ……先客がいたんですね」

木の上から、胡蝶しのぶが舞い降りる。

視線の先には、炭治郎と禰豆子。

「鬼を庇っているんですか?」

しのぶが刀を抜く。

「その鬼は殺しますね」

「待って!」

飛羽が二人の前へ立ちはだかる。

「この子は人を襲ってない!」

「ですが鬼でしょう?」

しのぶが微笑む。

「規則ですから」

飛羽は刀を構えた。

「……だったら、私が時間を稼ぐ」

「飛羽さん!」

「炭治郎、禰豆子!」

飛羽は振り返らず叫ぶ。

「今のうちに逃げて!」

炭治郎は迷う。

「でも――!」

「早く!」

飛羽の声に、炭治郎は禰豆子を抱えて走り出す。

しのぶが追おうとする。

しかし――

「行かせないよ」

飛羽が刀を構え、しのぶの前に立った。

「……へぇ」

しのぶは笑みを深める。

「あなたも、ずいぶん変わった隊士ですね」

その横で義勇は、黙って飛羽を見ていた。

――累を一瞬で斬った剣士。

そして今度は、鬼である禰豆子を守るために柱へ刃を向けようとしている。

「……面白い奴だ」

義勇は小さく呟いた。
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