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一期一会【鬼滅の刃 不死川実弥夢】

第3章 地獄の稽古と那田蜘蛛山




月明かりの下、実弥と飛羽の刀が激しくぶつかった。

「――行くぞォ!」

実弥が一気に踏み込む。

「酒の呼吸――弐ノ型・酔燕返し!」

飛羽は身体を左右へ揺らし、実弥の斬撃を紙一重でかわす。

「チッ……!」

「どう!? 読めないでしょ!」

「甘ェ!」

実弥の刀が突然軌道を変える。

「っ!」

飛羽は咄嗟に受け止める。

「お前の動きは読みにくい。だが癖がある」

「癖?」

「右へ避ける時、左足が半歩遅れる」

「……!」

「そこを狙われりゃ終わりだァ」

飛羽は悔しそうに歯を食いしばる。

「なら、直す!」

再び刃が交わる。

「参ノ型・盃月!」

半月を描く斬撃。

実弥は受け流し、さらに踏み込む。

「悪くねェ!」

「まだ!」

飛羽は一気に距離を詰めた。

「伍ノ型――鬼殺し!」

一直線の突撃。

実弥は紙一重でかわし、背後へ回る。

「――ここまでだァ」

刀が飛羽の首元で止まった。

「……負けたぁ」

「だが、前よりずっといい」

実弥は刀を下ろす。

「お前の呼吸は、お前にしか使えねェ。無理に風へ寄せる必要はねェ」

飛羽は嬉しそうに笑った。

「……うん!」

その時――

「カァァッ! 緊急任務! 那田蜘蛛山へ向かえ!」

二人が同時に顔を上げる。

「那田蜘蛛山……」

鎹鴉は飛羽だけを指名していた。

実弥は眉をひそめる。

「お前一人かァ」

「そうみたい」

「……気をつけろ。嫌な気配がする」

「大丈夫。私、実弥の継子だよ?」

飛羽は刀を握る。

「酒の呼吸で、鬼なんて酔い潰してくる!」

「馬鹿言ってねェで、絶対に生きて帰ってこい」

「……うん。約束する」

飛羽は那田蜘蛛山へ駆け出した。

月明かりの下、実弥はその背中を見送る。

「……無茶すんじゃねェぞォ」

そして那田蜘蛛山。

無数の蜘蛛の糸が木々を覆う中、飛和は刀を抜いた。

「……何、この山」

森の奥から、異様な殺気が漂ってくる。

飛羽は静かに構えた。

「――酒の呼吸、参るよ」
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