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一期一会【鬼滅の刃 不死川実弥夢】

第3章 地獄の稽古と那田蜘蛛山




「――遅ェ!!」

道場に実弥の怒声が響く。

「今のかなり速かったでしょ!」

「速ェだけじゃ意味ねェ。動きに無駄が多すぎる!」

その時――

「カァァッ! 合同任務! 山奥に鬼! 複数!」

鎹鴉の報せに、二人は顔を見合わせた。

「行くぞォ、飛羽」

山へ向かった二人の前に、三体の鬼が現れる。

「飛羽、俺が――」

「実弥、こいつら私に任せて!」

飛羽は刀を抜き、身体をふらりと揺らした。

「酒の呼吸――壱ノ型・一献風酔」

次の瞬間、飛羽の姿が消え、一閃。

鬼の首が宙を舞う。

「なっ……!?」

残る二体が襲いかかる。

「弐ノ型・酔燕返し!」

左右へ不規則に揺れながら、連続斬撃を叩き込む。

鬼の攻撃はことごとく空を切った。

「まだ終わりじゃない!」

「漆ノ型・月見酒!」

満月のような軌跡を描く斬撃が鬼を追い詰める。

一体が隙を突いて飛羽へ迫った。

「捕まえたァ!」

「――それを待ってた」

「捌ノ型・二日酔地獄」

誘い込まれた鬼の首が、一瞬で斬り落とされた。

戦いを見ていた実弥は、しばらく無言だった。

「……なるほどなァ」

「どう? 私の呼吸!」

「動きは悪くねェ。相手の間合いもリズムも狂わせてやがる。風から派生したってのも納得だァ」

飛羽が嬉しそうに笑う。

「じゃあ、認めてくれた?」

「だがなァ――」

実弥の眉間に皺が寄る。

「『二日酔地獄』って名前はどうにかしろォ!!」

「そこ!?」

飛羽が叫ぶ。

実弥は刀を構えた。

「次は俺を相手にやってみろ。その酒の呼吸が本当に通用するのか、確かめてやる」

「……望むところ!」

月明かりの下、二人の刃が激しくぶつかった。
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