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一期一会【鬼滅の刃 不死川実弥夢】

第6章 呪いの手紙と複雑な想い


刀鍛冶の里へ向かう道中。

飛羽は一人、どこか浮かない顔で歩いていた。

「……はぁ」

その時、後ろから聞き覚えのある声が飛んできた。

「おいおい、何だァ? シケたツラしてんじゃねぇか」

振り返ると、宇髄天元が腕を組んで立っていた。

「宇髄さん……」

「上弦を倒した奴が、そんな顔してどうした?」

「……ちょっと、実弥と喧嘩して」

「不死川と?」

飛羽は少し迷ったあと、ぽつぽつと話し始めた。

カナエのこと。

実弥が自分をカナエと重ねているのではないかと思ったこと。

そして――実弥から「テメェはテメェだ」と言われたこと。

「……それで、まだ気になってんのか?」

「うん……」

宇髄は腕を組んだまま、しばらく飛羽を見る。

「お前さァ」

「なに?」

「それ、本当は自分が不安なだけだろ」

「……」

「不死川が誰を好きだったかなんざ、今さら関係ねぇだろ。あいつが今見てんのは、お前なんじゃねぇのか?」

飛羽は目を伏せる。

「でも、実弥は何も言ってくれない」

「だったら、お前から言えばいい」

「え?」

宇髄はニヤリと笑った。

「派手に行けよ」

「……派手に?」

「好きなら好きだって伝える。ウジウジ悩んでるより、よっぽど派手だ」

「でも……振られたら」

「その時はその時だ」

宇髄は飛羽の肩を軽く叩く。

「お前らしく、真正面からぶつかれ。あの不死川相手なら、それくらいじゃねぇと伝わらねぇだろ」

「……宇髄さん」

「それになァ」

宇髄は少しだけ真面目な顔になる。

「あいつがお前を誰かの代わりにしてるようには、俺には見えねぇけどな」

飛羽は目を見開いた。

「……そっか」

「決めたか?」

飛羽は小さく笑う。

「……うん。帰ったら、ちゃんと実弥に伝える」

「それでこそ派手だ!」

宇髄の声が山道に響く。

飛羽は胸に手を当てる。

不安はまだ消えない。

それでも――。

今度は、自分の言葉で実弥に想いを伝えよう。

そう決意して、刀鍛冶の里へ向かって歩き出した。
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