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一期一会【鬼滅の刃 不死川実弥夢】

第6章 呪いの手紙と複雑な想い


刀鍛冶の里へ向かう前夜。

飛羽は縁側で一人、考え込んでいた。

「……カナエさん」

ふと、実弥が胡蝶しのぶの姉・胡蝶カナエを好いていたことを思い出す。

――もしかして。

「実弥は……あたしをカナエさんと重ねてるんじゃ……」

そう思うと、胸が苦しくなった。

翌日。

「飛羽。刀鍛冶の里に行くんだろォ。無茶すんじゃねェぞ」

実弥に声をかけられ、飛羽は思い切って尋ねる。

「実弥って……カナエさんのこと、好きだったんだよね?」

「……急に何言ってやがる」

「じゃあ、あたしに優しくするのも……カナエさんと重ねてるから?」

実弥の眉間に皺が寄る。

「テメェ、何勝手なこと言ってやがる」

「だって……あたし、誰かの代わりになるなんて嫌だ!」

「誰がテメェを誰かの代わりにしてるって言ったァ!?」

「じゃあ何なの!?」

二人の声がぶつかる。

実弥は拳を握り締めた。

「俺がテメェを見て、誰かと重ねてるように見えんのかァ?」

「……だって」

「テメェはテメェだろうが!」

飛羽が目を見開く。

「勝手に他の女と一緒にすんじゃねェ」

「じゃあ……なんで、あたしが死にかけた時、あんな顔してたの?」

実弥は答えられない。

「……チッ」

しばらく黙った後、低く呟く。

「今は……俺にも分かんねェ」

「……」

「だが、テメェを誰かの代わりにしてるつもりはねェ。それだけは言っとく」

飛羽は涙を拭った。

「……分かった」

しかし、二人の間に残ったわだかまりは消えない。

翌日。

飛羽は刀を携え、刀鍛冶の里へ向かった。

その背中を見送りながら、実弥は一人呟く。

「……俺が惚れてんのは……誰なんだよォ」

答えは、まだ本人にも分からなかった。
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