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一期一会【鬼滅の刃 不死川実弥夢】

第3章 地獄の稽古と那田蜘蛛山


翌朝。

「おらァ! もう一度だァ!」

「ちょ、ちょっと待って! 朝から何回やらせるの!?」

実弥の道場に、飛羽の声が響く。

飛羽は自分なりに磨いてきた剣技で実弥へ斬り込む。

「――そこっ!」

キィン!

実弥の刀が飛羽の一撃を簡単に弾いた。

「遅ェ」

「……!」

「踏み込みが浅い。腕だけで振るなァ」

「でも、ちゃんと当てようとして――」

「それがダメなんだよォ」

実弥は飛羽の構えを見て、眉を寄せる。

「お前の剣は相手の動きを読んでから斬る。それ自体は悪くねェ」

「じゃあいいじゃん」

「だがなァ――」

実弥が一瞬で距離を詰める。

「鬼は、お前が考えてる時間なんざ待っちゃくれねェ」

ドンッ!

飛羽は木刀ごと弾き飛ばされ、尻餅をついた。

「いったぁ……!」

「戦場なら死んでるぞォ」

「……容赦ないなぁ」

「当たり前だァ」

実弥は飛羽の前に立ち、刀を構える。

「もう一度」

「……はいはい」

飛羽は立ち上がる。

今度は足運びを意識し、低く構えた。

「――行く!」

踏み込む。

実弥は受け流す。

だが飛羽はすぐに身体を回し、逆方向から斬り込んだ。

「ほォ……」

実弥の目が僅かに細くなる。

「今のは悪くねェ」

「ほんと?」

「ただし――」

実弥が木刀を振り下ろす。

「まだ甘ェ!」

「うわっ!」

飛羽は慌てて受け止める。

「もっと腰を使えェ! 足を止めるな!」

「分かってるって!」

「分かってねェから言ってんだァ!」

何度倒されても、飛羽は立ち上がった。

やがて息を切らしながら、それでも刀を構える。

実弥はそんな飛羽を見つめ、口元を僅かに上げた。

「……見込みはある」

「……それ、最初から言ってよ」

「調子に乗るから言わねェ」

「ひどっ!」

実弥は笑う。

「明日も来い」

「……はいはい」

こうして飛羽の厳しくも奇妙に充実した稽古の日々が始まった。
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