第15章 ダブリスの獣たち
「悪いわね。あたし監視役だから、中に入られて気持ち悪いでしょうけど、がまんしてちょうだい」
アルフォンスくんの中に入っている女性―――マーテルさんの言葉に私は目を丸くした。
誘拐した側が、まさか謝罪をするなんて。
「中にある血印にはさわらないでね。ボク、この世にいられなくなっちゃうから」
「あんた、面白い身体よね」
「そういうあなたも、普通の人ではありませんよね。いえ、あなただけじゃない、そこにいるお二方も」
私は視線を大柄な男―――ロアさんと、もう一人の男―――ドルチェットさんに向ける。
身のこなしが一般人とは思えない。
元軍人、そう答えるであろうと思い問いかけたが、返ってきたものは予想を上回るものだった。
「……合成獣って知ってる?あたしの身体はね、ヘビと合成されているの」
……合成獣?
マーテルさんが?
「う……、うそでしょ!?そんなの成功するはずない……!!」
言葉をなくす私の代わりに、アルフォンスくんが叫んだ。
ニーナさんの姿が脳裏によぎる。
成功例があるだなんて……。
じゃあ、ニーナさんはなんで……。
いや、違う。
そうじゃない!!
言葉を話せるとか、容姿が人間そのものとか、そういうことじゃなく、人と獣を合成すること事態が非人道的なことなのに。
混乱する私とアルフォンスくんをよそに、マーテルさんは言った。