第15章 ダブリスの獣たち
「ちょっと冷てぇんじゃねぇの!?ねぇ、そっちの鎧のダンナぁ!!」
「ごめんね、お金持ってないんだ」
「またまたぁ!国家錬金術師ならガッポリ持ってんでしょ?」
「そんな錬金術師知らねーよ」
アルフォンスくんもエドワードくんも相手にしないように冷たくあしらうも、男はしつこく付きまとう。
なんでこんなに執着するんだろう。
私たちが余所者だから?
「お兄さん一部の界隈じゃちょいと有名ですよ?弟の魂を錬成したってね」
なぜ、そのことを?
それは軍の中でも一部の人しか知らない情報だ。
こいつ、一体……。
エドワードくんも足を止めて浮浪者と向き合う。
「当たり?」
「ウザいぞ、てめぇ」
「そっちの鎧の人、身体が無いんでしょ?」
この人は、何か知っているんだろうか。
知っているなら尋問でもして聞き出したところだ。
しかし、ニヤニヤと笑う浮浪者の顔面をエドワードくんは容赦なく蹴り飛ばした。
「てめコラァ!!図星だからってなんだその態度!!まったく親の顔が見たい……」
エドワードくんはゴミ箱を持ち上げ、思いっきりそれを浮浪者に向かって投げ飛ばした。
この人、すごいな。
エドワードくんの地雷をことごとく踏んでいく。
なんかちょっとかわいそうになってきた。
だというのに、浮浪者はまだしつこく彼に絡む。
「ムキになるって事はやっぱり……。そっちの鎧は人間じゃねぇって……か……」
かわいそうと思った数分前の言葉を撤回します。
わざと怒らせようとしている。