第15章 ダブリスの獣たち
「大佐、なんだって?」
電話を切ると、内容が気になったのかエドワードくんが尋ねてきた。
「すごく怒られました。報告を疎かにしていたので」
「意外に過保護だよな、大佐って」
「そうなんですよね。私ももういい年なのでそこまで心配する必要なんて……」
それを聞いていたメイスンさんが大きな声を出して笑った。
笑うところなんてあっただろうか。
「いやぁ、ごめんごめん。軍人でエドワードくんたちの護衛って聞いていたからしっかりしている人かと思ったけど、まだまだ子供なんだなって」
「……子供?私、もうすぐ20になるんですが」
「年齢の話じゃないよ。そこがまだ理解できないなら心配されるのもわかるなぁ」
メイスンさんの言葉にイズミさんは静かに頷いている。
納得がいかないけど、反論できないのはそれに値する材料を持ちあわせていないからだ。
「それと。中央司令部に異動となりました。何かが大きく変わる事はないのですが、一応伝えておきます」
「へぇ。じゃあ、ヒューズ中佐にも伝えねえとな」
「はい。中央に行った時にでも言おうかと思います」
電話すればいいだろ、とエドワードくんに言われたが首を振った。
直接、ヒューズさんの顔を見て報告がしたかったから。
「それより、今日のご予定は?」
「うん。兄さんと話して、ダブリス図書館に行こうかって」
「もしかしたら掘り出し物が見つかるかもしれねえだろ」
アルフォンスくんの記憶を取り戻す方法を探しつつ、賢者の石についても探さなくてはいけない。
先の事を考えると途方もなく見える。
しかし、希望を捨てていない兄弟を見ていると、もしかしたらという期待が大きくなる。
「わかりました。では、準備して行きましょう」
「夕飯までには戻ってくるんだよ!!」
「「「はい!!」」」
そうして、私たちはダブリス図書館へと向かった。