第15章 ダブリスの獣たち
「ショックで記憶が飛んでるのかね……?アルの記憶を戻してみよう。なんせ、全身を持って行かれてるから」
「そうか!あいつの言ってた"通行料"の量で言うなら、アルは真理に一番近い所にいる!!」
確かにイズミさんとエドワードくんの言う通りかもしれない。
何で今まで気が付かなかったんだろう。
「じゃあ、その時の記憶が戻れば!!」
もしかしたら、「真理」を知る事ができるかもしれない。
もしかしたら、元の身体に戻る手掛かりがわかるかもしれない。
そんな気持ちがアルフォンスくんの声から伝わってきた。
が……。
「しかし、"あれ"の記憶かぁ……」
「"あれ"ねぇ……」
「え……、何かやばい?」
"あれ"を見た者にしかわからない感覚。
思わず私も眉間に皺を寄せて目を瞑った。
あまり思い出したくはないなぁ。
やばいというかスゴイ、というなんとも抽象的なことしか言わないイズミさんとエドワードくんにアルフォンスくんは「わかんないヨ!」と叫んだ。
「さんも見たんですよね?具体的にどんな感じなんですか?」
「え……」
まさか私にも飛んでくるとは思わなかった。
ぐるぐると頭をフル回転させるが、うまい説明が思い浮かばない。
正直、イズミさんたちが言っていることはすごくわかるし、的確すぎるほどのものだから、これ以上どう説明をすればいいのか……。
真っすぐ私を見つめるアルフォンスくんの瞳がとても痛い。