第15章 ダブリスの獣たち
お店に戻ると、なにやら兄弟たちはイズミさんと何かを話しているようだった。
殺されてはいないみたいでよかった。
裏口からひょいっと顔を覗かせると、「真理」という単語が耳に入ってきた。
邪魔をしないように静かに話を聞こうとしていたが、その単語に身体が反射的に反応してしまい小さな物音を立ててしまった。
「!!ちょうどいいところに!!」
私の存在に気が付いたエドワードくんが、中に入れと言わんばかりに私の腕を掴んだ。
イズミさんは私を見ると「あんたもそうだったね」と大きなため息と一緒に言葉を吐いた。
「は"アレ"を見たのか?」
彼女に嘘は吐けない。
私は素直に「はい」と首を縦に振り、誰を錬成しようとしたのかも答えた。
「兄をね……。その代償として"体温"を持って行かれた、と」
「はい。平熱は31度です」
「……はぁ、ここにいる奴らはみんなばかたればっかだね」
困ったように笑うと、イズミさんはアルフォンスくんに向き直った。
どうやらアルフォンスくんだけが"アレ"を見ていないことに疑問を抱いているようだ。
私もそこは気になっていた。
あの時、リオールで彼らと会った時、アルフォンスくんは錬成陣を描いて壊れたラジオを錬成していたから。