第15章 ダブリスの獣たち
そんな話をしているといつの間にか駅に着いた。
「また近くに来たら寄れよ」
「え……、でも……」
「オレたち破門されちゃったし…………」
「ねぇ」
「ばっかやろう!」
戸惑いを見せるエルリック兄弟にシグさんは喝を入れた。
シグさん曰く、師匠でも弟子でもなくなったということは、これからはひとりの人間として対等に接することらしい。
「何を遠慮する事がある?ん?」
今日だけで何回目だろう、エルリック兄弟は顔を見合わせた。
エドワードくんは髪の毛を掻きむしったあと、「何しにダブリスまで来たんだ?」と問いかける。
そして、一足先にイズミさんのところへと走って行った。
「殺されんなよ!」
「努力しまーす!」
努力してどうにかなるものなんだろうか、と疑問が湧いたがまあいいか。
シグさんと一緒に残された私は静かに口を開いた。
「発破をかけてくださりありがとうございます」
「……なんのことだ」
「きっと今の私では、どんな言葉も彼らには届かないようなきがしていたので」
彼らのことを幼いころから知っている彼だからこそ、届く言葉がある。
私にはできないことだ。
「戻るか。早くしないとエドたちが大変な目に遭っている可能性がある」
それは冗談としてとらえてもいいものなのか。
私はどう返答するのが正解なのか分からないまま、ただ来た道を戻るほかなかった。