第15章 ダブリスの獣たち
その後、イズミさんはエドワードくんたちに破門を言い渡した。
彼らの錬金術の腕は認めるが、彼らに人体錬成をさせるために、そんな身体にするために、錬金術を教えた訳ではないと言う。
「これはケジメだ」
イズミさんは兄弟たちに厳しく告げた。
エドワードくんは異論を唱えることなく、ただ強く拳を握り締めた。
「お世話になりました!」
エドワードくんはイズミさんの背中に頭を下げ、そのまま家を出て駅へと歩き始める。
アルフォンスくんは、困ったように二人を交互に何度か見るが、それでも「ありがとうございました」と頭を下げ、エドワードくんの後を追いかけた。
駅までの道中、シグさんが送ってくれることとなり、同時にイズミさんが人体錬成をした時のことを話してくれた。
「あいつ、一人目の子供を身籠った時に病気をしてな。頑張ったんだけど産んであげられなくて、その時二度と子供ができない身体になって……。一晩中謝られたよ。あいつは何も悪くないのにな」
その時から人体錬成考えていたんだろうと、シグさんは言った。
「気づいてやれなかった俺もバカだけどよ」
静かにそう呟くシグさんの横顔は寂しさと悲しさが入り混じったような表情だった。
誰も悪くないからこそ、誰も責めることができない。
誰かが悪者でいてくれたどれだけ楽だろう。
そんなことを考えてしまう私は、どこまでも酷い人間だ。