第14章 鋼の錬金術師
「それで、試験はどうだったんですか?」
「彼のことが気になるのかね、アールシャナ中尉」
「……………………どう、なんでしょう」
意地悪なことを聞く彼に、沈黙を貫こうとしたが、彼の目がそれを許さないと語っている。
気になるか気にならないかと言えば、気になる。
1年前の少年と昨日の少年は全く別人のように見えた。
だけど、力強い瞳はあの時見たものと同じもので。
この子がどんな1年を過ごしてきたのか興味が湧いたのは事実。
いや、違う。
嫉妬や羨望を抱いているんだ、彼に。
だから、気になってしまうんだ。
「おもしろい実技だったよ。錬成陣なしで錬成をしてみせたのだからね」
ハボックさんやブレダさんは「すごいっすね!……ってどのくらいすごいんですか?」と首を傾げていた。
錬金術の知識があまりない人は、錬成陣なしの錬成がどれ程のものか理解はできないだろう。
そしてその錬成ができる人が"何を行った"のかも。
「槍を錬成して、大総統閣下に襲いかかってね。いやぁ、おもしろい見せ物だったよ」
心底楽しそうに笑っているが、ハボックさんたちは青ざめている。
賭けに負けたと思ったに違いない。
いや、これは落ちても仕方ないのでは。
それだというのにまるで大佐は「合格」を確信しているような口ぶりだから、なんだか私たちと大佐との間で温度差を感じた。