第14章 鋼の錬金術師
――・アールシャナside――
大佐とリザさんが司令部に戻ってきたのは、次の日のことだった。
「お疲れ様っス、大佐ぁ。どうでしたか、試験の方は」
ハボックさんが煙草を咥えながら、ニヤニヤと笑っている。
司令部では、12歳の少年が国家錬金術師の試験を受ける話でもちきりだった。
無謀だとか、おもしろいだとか、そんな会話ばかりがはびこっていた。
そして、最終的に行き着くのは「賭け」だ。
「なんだ、賭け事でもしていたのか」
「まぁ、そっすねぇ。俺たちマスタング組は受かるに入れてるんスよ」
「ほぉ。珍しいな、ハボックとブレダはともかく君達3人も賭け事とは」
目を丸くする大佐に「違います」と言ったのはファルマンさんだ。
「他の奴らの挑発に乗った彼らが我々を巻き込んだだけです。決して私達は賭け事に参加していません」
「准尉の言う通りです!自分も賭け事は……!!」
「そんなことだろうと思ったよ」
ははは、と笑う大佐はどこか機嫌がよさそうで、その様子に私達は顔を見合わせた。
きっと試験の内容がよかったか面白かったかのどちらかだろうな。
こんなに楽しそうな大佐を見るのも久しぶりだ。