第14章 鋼の錬金術師
槍の切っ先は大総統の喉元でぴたりと制止し、オレの頭にはくつもの銃口が向けられている。
大総統の手の合図とともに拳銃が下げられるのを見て、軍への忠誠を垣間見た。
「―――っていう風に要人暗殺があるかもしれないからさ、この試験方法見直した方がいいんじゃない?」
「ふむ。そうだな、検討しておこう」
だけど、オレのこの行動が軍への忠誠とは真逆の問題行為とみなされ、「この無礼者めが!!不合格だ、不合格!!」と試験官の一人にその場で言われてしまった。
やっべ、やりすぎた……。
これでまじで試験に落ちたら洒落にならねえ……!!
「勝手に決めるな。筆記試験、精神鑑定ともに問題無しなのだろう?実技にいたっては見ての通り。そして何より……、肝が据わっておる」
以外にも助け船を出したのは、大総統本人だった。
どこか意地悪にも似た笑顔がオレを見つめ「ただ……」と言葉を続けた。
「世界の広さを知らぬ」
瞬間。
がらん、と音を立てて槍の先が地面に落ちた。
「結果報告を楽しみにしていたまえ。若すぎる錬金術師よ」
背中を向けて笑いながら去っていく大総統の右手にはサーベルが握られていた。
何時抜いたんだいよ。
全然気が付かなかった………。