第14章 鋼の錬金術師
それから中央に着くと、試験場へと案内された。
会場に入る前、大佐が「実技試験でまた会おう。がんばりたまえ」と手を差し伸べて来たから、それに応えるようにその手を軽く叩いた。
筆記試験は簡単すぎてすぐに終わり、精神鑑定も大佐の言った通り機械鎧の事について聞かれたが、東部の内乱で失ったと言えばそれ以上は何も聞いて来なかった。
実技試験の会場はまた別の場所でやるようで、試験官に案内され、中へと入る。
ぐるりと回りを見渡すと、2階の方に大佐が腕を組んで微笑んでいるのが見えた。
ああ、だから「また会おう」って言ったのか。
試験官ではないにしろ、後見人だからここにいてもおかしくないのか。
そんなことを考えていると、会場に右目に眼帯をつけた一人の男が入って来た。
後ろに軍人二人を従えて。
どうやら眼帯の男は、軍事最高責任者のキング・ブラッドレイというらしい。
つまり大総統閣下、だ。
そんな人が、護衛がいるとはいえ国家錬金術師の試験を間近で見学……。
しかも12歳のガキの、ねぇ。
ふぅん……。
「緊張しなくていいぞ。落ち着いて。錬成陣を描く道具は持ってるか?」
試験官の一人がオレを落ち着かせるために優しい声色で話しかけてきた。
どいつもこいつもガキ扱いしやがって。
緊張してねえっつうの。
「いらないよ。そんなもん」
オレは両手を合わせ、地面に手を付いた。
青白い錬成反応が部屋全体を包み込む。
長い槍を錬成したオレは、それを掴むとそのまま大総統閣下に襲い掛かった。