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【鋼の錬金術師】紅の幻影

第14章 鋼の錬金術師







中央に向かう途中の汽車の中で、大佐は試験の内容をざっと教えてくれた。

「筆記試験、精神鑑定、実技試験の3つがある。これら全てに合格してようやく国家錬金術師になれる」
「実技はなんでもいいの?」
「ああ。試験官の前で錬成実技を披露し、その内容が試験官達のお眼鏡に適えば合格だ」

大佐は言った。
研究者系の錬金術師は、実技においてその場で錬成せずとも研究成果をプレゼンする事が可能だと。
事前に実演かプレゼンのどちらかを選ぶ事ができると。

「君は当然、実技だろう?」
「まあね」
「筆記試験も問題ないだろう。あるとしたら精神鑑定だな」
「オレがガキだってのか?」

突っかかるオレに大佐は困ったように笑っている。
なんだよ、その「そういうところだ」みたいな顔は。
大佐は、一つ息を吐くと、

「機械鎧の手足。必ず聞かれることなるが、"人体錬成をして失いました"なんて、言えるわけがないだろう。何か、良い言い訳は考えてきたのかな」

黒い瞳が鋭くオレを見つめてくる。
うっと言葉に詰まる姿を見て、大佐は小さく喉で笑うと「東部の内乱で失ったと言うといい」と助言をくれた。
大佐の言いなりになっているみたいで癪に障るが、これ以上の案は思いつかない。

オレは素直にそれを受け取り、中央に着くまでの時間、リゼンブールで待っている弟のことを考えていた。




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