第14章 鋼の錬金術師
「もう身体は完璧だね」
「おう!これで錬金術使えなくなってたら笑えるけどな。あれ以来使ってなかったからなぁ……」
「そっか。ボクの魂の時以来か」
「緊張するな~~~」
これで本当に錬金術が使えなくなっていたら、真面目に笑えねえ。
国家錬金術師の資格が取れなくなってしまう。
大きく息を吸いこみ、オレは両の手を合わせた。
そして機械鎧の外装部分を刃に錬成する。
「おー!バッチリバッチリ」
錬金術もちゃんと使えるし、何も問題はないな。
「す……、すごいよ兄さん!!」
なんて思っていたら、アルの驚いた声が響いた。
「師匠と同じ事ができる様になったんだね!!」
「……アルもできるだろ?」
「できないよー!さすが兄さんだ!!」
できない……?
「"あれ"を見なかったのか?」
「"あれ"って?」
アルの様子を見ると、嘘を言っているようには見えない。
本当に"あれ"を見ていないんだろう。
でも、なんでだ。
一緒に人体錬成をしたのに、オレだけが手合わせ錬成できるなんて……。
「こらーーー!!」
後頭部に衝撃、再び。
今度はスパナではなく、鉄製の椅子だ。
どちらにせよ、ウィンリィはオレを殺す気らしい。
「あたしの機械鎧を変形させたわねーっっ!!」
「てめっ……、それ反則……」
「早く元に戻しなさい!!」
「ウィンリィ!!それ以上やったら兄さんが死んじゃうよ!!兄さん!!兄さあああああああああん!!!!」
アルの叫び声が青い空へと吸い込まれていった、秋の風が吹く午後だった。