第14章 鋼の錬金術師
1年後。
右手と左足に機械鎧を着けると、オレは早速アルの元へと駆けだした。
手足の作動確認と鈍ってしまった身体の感覚を取り戻すために。
アルとの組み手で、想像よりもちゃんと機械鎧の手足が動かせることがわかった。
1年もリハビリに時間をかけたんだ。
思わず右手でガッツポーズをした。
と、その時だった。
後頭部に勢いよくスパナが飛んできた。
「何やってんのよ!!あたしの機械鎧が壊れるでしょー!!」
ぷんすこと怒るウィンリィだったが、オレは壊れてもいいのかよ!!
「かわいくない!!色気がない!!この機械オタ!!」
「かわいげも色気も無くてけっこう!!」
いつもの調子で口喧嘩をしていると、ウィンリィがドンと胸を叩き「元の身体に戻るまであたしがサポートする!」と言ってきた。
同時に「言う事をきかないとまたスパナだから」とも脅してきた。
かわいくねえ女だな。
なんて思っていると、
「青春だねぇ」
アルがどこかおもしろそうな声で言ってきた。
頭にスパナが飛んでくる青春があってたまるか。
まぁ、でも。
この1年、ウィンリィにもばっちゃんにもいろいろ世話になったからな。
リハビリの間、ずっとオレのサポートをしてくれたわけだし。
…………いや、本当につらかったなぁ。
神経繋ぐだけでも苦しいつうか大変つうか、もう、痛くて嫌だったのに、そこからの歩行訓練だのなんだのって……。
思い出したくねえな。
毎日、リハビリに付き合ってくれたわけだし、機械鎧だって作ってくれたわけだからな。
しゃあねえな。
あいつの言うことを少しばかり聞いてやらなくもないか。