第1章 暗闇 / 五条悟
なつは口内射精が苦手だった。
彼との行為の際も口内射精だけ絶対にやりたくないと断っていた。
嫌だ 嫌だ 嫌だ 嫌だ 嫌だ 嫌だ。
延々と心の中で叫ぶ。
喉奥を犯してくるソレが絶頂に近いのだと嫌でも分かってしまってイラマチオによる苦しみとこれから行われるであろう行為を想像してぶわっと涙が溢れ出てくる。
「全部飲んでね」
さっきまでのヘラヘラした雰囲気はその口調から消え去りやや低く落ち着いた声色で命令するように男が言う。
そして喉奥ではなくわざと舌の上にびゅるる、と射精された。
反射的に嘔吐くなつ。
「う"…えっ…ええ"っ…」
「あっ!待って飲み込む前に…」
男がおもむろにスマホを取り出す。
なつは久々に光を感じて目がチカチカした。
スマホの画面の光で薄ら見える男は白髪でとても綺麗な顔立ちをしていた。
そしてとても綺麗な空色の瞳をしていた。
なつは男の容姿を見て不覚にもドキッとする。
「あ、なつ今ドキッとしたでしょ。そうだよね、僕イケメンだもん」
男がさぞ当たり前かのようにナルシストの様な言葉を言うとこちらにスマホのカメラを向ける。
「ほら、あーんして?」
此方にスマホのカメラレンズを向けながらその空色の瞳を細めてニヤリと笑っているのが見えた。
一時的に抵抗する気力を失ったなつは素直に小さく口を開ける。
「そうそう。…えっろ」
そしてなつの口内に指を突っ込んで涎と自身の精子をぐちゃぐちゃと掻き回しながら「なつ!カメラ目線!ほーら!」と言いながら何枚もフラッシュを焚きながら色んな角度からパシャパシャと写真や動画を撮ってくる。
「っ!まぶし…ひゃめて!とりゃないで…!」
「やだよ。なつが初めて僕の精子を口に含んだ瞬間だもん。…ん」
「よしよし撮れた撮れた。かわいー。これでめっちゃ抜ける」
「それじゃあなつ。僕の精子ごっくんして?」
男がスマホの電源を落とすと再び訪れる暗闇。
どこかへスマホが置かれる音がすると片手で口を塞いでもう片手で鼻を摘んで再び呼吸の出来ないようにしてきた。