第2章 実は男の子でした / 狗巻棘
遠くからお湯が溜められていく音が聞こえてくる。
そして外に向かうパタパタとした小走りの足音も。
「こんぶ"ちゃーん"!お風呂たまってきたよー!」
外の屋外露天からなつの声がした。
"男"はソファから立ち上がると内風呂と屋外露天の経由地点として設置されている洗面台兼脱衣所に向かった。
こちらを見るとぱあっと明るい笑顔を向けてパタパタと駆け寄るなつ。
女の子と一緒にお風呂だ…!
急にドキドキしてきた…!
それでこれから初めて女の子と…
「あのね!アメニティの中に泡風呂の入浴剤があったから中のお風呂は泡風呂にしてみたんだっ!」
「!…♪」
"彼女"は目をキラキラさせながらなつに向かって親指を立ててグッとジェスチャーした。
ふとなつの目線が"彼女"の口元に移る。
タトゥーなのかな?珍しいなあとなつがまじまじと見ているとその呪印を見せつけるように自身の両口端に人差し指を添えてにっ、と笑ってみせた。
「!………」
「じゃ、じゃあ…入ろっか!」
なつはその表情を見てドキッと胸を高鳴らせて頬を赤らめる。
そして恥ずかしそうに"彼女"から視線を逸らすと顔を合わせないようにしながら催促するようにそう伝える。
ドキドキしながら服を脱いでいくなつ。
傍で"彼女"の服を脱ぐ衣擦れの音が聞こえる。
ブラを外そうと背中に手を回そうとした時にプチンとブラを外された。
「あっ…!」
ハッとして"彼女"を見るとそこにはTシャツを脱いだ半裸の"男"が立っていた。