第2章 実は男の子でした / 狗巻棘
道中コンビニでお菓子やジュースを買いホテルへ向かう。
繁華街の少し外れた場所にそのホテルはあった。
ふたりで入ると受付の受話器をとり、フロントに繋ぐ。
「あのー…今日女子会プランで予約した"狗巻"です…!」
「○時から宿泊コースの狗巻様ですね、ルームカードをお取りになってからお部屋へお進み下さい」
話せない"彼女"の代わりに受付を済ませる。
ルームカードを取り、上り専用エレベーターに乗り部屋に向かう。
「女子会楽しみだね…!」
「♪」(にこりと笑って頷く)
点滅している号数の部屋に到着すると先にお部屋見てー!と"彼女"を先に促す。
”彼女”はこくりと頷くと靴を脱いで部屋へ繋がるドアを開ける。
――――白と薄ピンクを基調とした可愛らしいルーム。
「わああっ!かわいい〜!あっ!お姫様ベットだ!!これってキングサイズかな!?」
可愛らしいものや雰囲気が好きななつには堪らない部屋だった。
ワクワクしながら部屋中を探索する。
それを"彼女"は微笑ましそうにしながらボディバッグをソファに置いてすとんと座った。
「こんぶ"ちゃん"!この部屋すっごくかわいいね!」
部屋選びは"彼女"に任せていたなつ。
まさかこんなに綺麗で豪華な部屋だとは思っていなかったためなつはきゃっきゃとはしゃいだ。
「わー!お風呂が外と中にふたつもある!すごーい!」
お風呂溜めてくるね!!と言いなつはパタパタと浴室へ入っていった。
その後ろ姿を見送ったあと"男"はそっとマスクを外した。
「…ツナマヨ……♪」
その口の両端には特徴的な呪印が刻まれている。
そして口元を緩ませるとそう小さく呟いたのだった。