第2章 実は男の子でした / 狗巻棘
時間は18時半。
なつはドキドキしながらとある駅の改札口に立っていた。
数ヶ月前にSNSで知り合った"女の子"と今日初めて会うからだ。
「……あっ!」
「…!……〜♪」
こちらを見るとにこにこしながら手をひらひらさせて近づいてくる中性的な"女の子"
白髪に近い色のボーイッシュな髪型にマスクをしていても分かるその整った顔立ちになつはドキッとする。
白いTシャツにベージュのパンツを履いたラフな格好の"彼女"。
これからこの人とラブホ女子会…お泊まり…
どうしよう、どタイプすぎる…!
なつはバイセクシャルだった。
だが女性との行為はまだ経験がなかった。
こんなどタイプ過ぎる人と一晩を……!
なんて妄想を膨らませてドキドキしていたら"彼女"がなつのSNSのアカウント画面を見せてきた。
「あっ!…そうです!なつです!…こんぶ"ちゃん"ですか?」
「………♪」
なつの問いかけに"彼女"はにこっと笑って頷いた。
「じゃ、じゃあ行こっか!」
「」(こくりと頷く)
個人的にやりとりし始めた頃に声が出せないとは聞いていたけど本当なんだ…生まれつきなのかな…。
気になったなつだったがさすがに初対面でそれを聞くのは気まずかった。
なので気にしないフリを決め込むことにした。
「今日はお互い楽しみましょ!ホテルに入る前にコンビニ寄ってお菓子とか買いませんか?」
「」(うんうんと頷く)
駅を出てふたり並んで歩き出す。