第2章 妄想で終わるはずだったのに
待って。待って待って待って!どういうこと!?
「どうなっているのかは分からんが…まあそんな事はどうでもいい」
「お前、俺の名を呼びながら自慰にふけっていただろう」
男が目だけを動かしてなつを見る。
「…宿儺が…画面から…これは幻覚?…頭がおかしくなったのかな…」
なつは脳内で情報処理をするので精一杯だった。
男の声が聞こえていない。無意識に無視をしてしまった。
「はー…この俺をなんだと思っている」
未だに固まったまま脳内の情報処理に徹しているなつの前髪を掴み顔を上に向かせた。
なつを見下ろす男の四つ目。赤い瞳。
「………った………ひっ……」
「お前が惨めに達する前に言っていた言葉を思い出せ」
「ぁ…えと…」
――――犯されたい
聞かれていた。いつから見られていたのだろう。
人の気配は全く感じなかったのに。
恥ずかしさでドッと汗が吹き出す。顔が熱い。
「声に出してもう一度言ってみろ」
この声。本物だ。
逆らうことを許さない威圧感のある表情。
早く言わないと本当に殺されてしまいそうだ。
「…犯され、たい…と……言いました…」
「ああ」
男が髪を掴んだままなつの前にしゃがむ。