第5章 ピンク色 前編
深夜1時過ぎ。
最後に残っていた女性客が寂しそうに目を潤ませて帰るのを名残惜しそうにしていた。
「はー…うざ…」
彼はその女性客に半ば強引に店外まで連れられていった。
しばらく待つと女性客の帰りを見送って戻ってきた彼が悪態を吐きながら店の扉を閉めると鍵をかけた。
「あの女の人、宿儺のことすっごく気に入ってたね」
「めんどくさ…」
あからさまに嫌そうな顔をしている。不機嫌になっている。
「…ごめんね。わたしも常連客の一人でしかないのにこんな閉店後まで付き合ってもらって…」
「たまたまそういう気分だっただけ、気にするな」
「…ありがとう…!今日はっ!呑みたい気分なので…!よろしく…!」
「ああ」