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堕ちて、求めて。

第5章 ピンク色 前編



「もう遅いし悪いから先に先に帰りなよ!また"みんな"で遊ぼう!」

振られたのに明るすぎるくらいの笑顔で男を帰すなつに対して男は財布から1万円札を抜くとカウンターテーブルに置いてバツが悪そうにしながら帰って行った。
彼はそれを目で見送るとなつの前に来る。


「盛大に振られたな」


グラスとお金を片付けながらいつも通りぶっきらぼうに言う彼。


「………うるさい…」

なつは下を向いて泣かないように必死に堪えていたが耐えきれずに大粒の涙はポロポロと太ももに溢れ落ちる。
見えていないがなつの前でカクテルを作る音が聞こえる。


「明日は店も休みだし今日は特別に閉店後付き合ってやる」


"それまでこれでも飲んでろ"と新しいグラスをふたつ差し出された。

ひとつはチェイサーの水。
もうひとつはカクテルグラスに入ったカクテル。
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