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ミオソティス【狩人】

第1章 船旅と出会い


ゴンは私より相棒に興味があるらしい。
私の目を見ながらもチラチラと相棒を気にしている。

「噛んだりしないから安心しなよ」
「あ、ごめんね!すごくかわいいなぁと思って」
「かわいいだって。良かったねリツ」
「リツっていうんだ!キミはなんて名前なの?」
「私はシキ。よろしく」
「うん!よろしくね!」


初対面の相手にリツが珍しく警戒を抑えているのは
ゴンが危険人物ではない判断したからだ。
こういう時は獣の勘が働くリツの方が頼りになる。


「リツは犬にしては大きいね」
「ほとんど狼だからね。ウルフドッグってやつ」
「オレ初めて見た!おりこうさんだね」
「沢山褒めてもらって光栄だよ。ところで座ったら?」


横にゴンを座らせて他愛もない話をしていると
船内から酒瓶を持った恰幅のいい男が出てきた。

船員が彼を見るなり慌てて働きだしたので、おそらく彼が船長なのだろう。酒瓶が妙に似合う。


「なんだ犬っころまで乗ってやがるのか」
「悪い?犬乗せるな、なんて言われませんでしたが」
「別にかまわんさ」


男は酒瓶を傾けグビグビと喉を鳴らす。

すると突然、ゴンとリツが殆ど同時に空を見上げた。

「リツ?どうかした?」


彼等と同じように見上げると上空には鳥たちが囀り飛び交っている。

ゴンは立ち上がると、鼻をひくつかせ呟いた。


「嵐がくるよ」
「嵐?」
「うん。リツも分かるよね?」
「…がぅ」

「ほう…なぜそう思う?」


船長がどこ楽しげにゴンに問う。
ゴンが言うには風が生ぬるくて湿気が多いことに加え鳥たち…ウミヅルが注意しあっているのだという。


「それに…」


ゴンは自分の鼻を指で触ると深く空気を吸った。
そして鮮やかな身のこなしであっという間に見張り台に登っていく。

見張り台で再度確かめるように深呼吸をすると、確信した顔で身を乗り出した。


「ものすごくでっかい嵐がくるよ!匂いで分かるんだ!!」
「だとさ。どうなの船長さん」
「あの小僧…クジラ島から入船したんだったな?」
「さっきの島がクジラ島っていうならそうだね」 


船長は「そうか…」と呟くと再び船内に入って行った。



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