第1章 船旅と出会い
「急げ!!竜巻に巻き込まれるぞ!!」
暴風と荒波で何かに捕まっていないと立っていられないほどの揺れの中、船員たちと共に帆を下ろす。
しかし竜巻の勢いの方がやや強い。
波が船を襲う状況下でクラピカとレオリオはお互いに睨み合っていた。
「今すぐ訂正すれば許してやるぞ、レオリオ」
「てめえの方が先だクラピカ。オレから譲る気は全くねぇ」
「仕方ない…行くぞ!!」
「来やがれ!!」
その時だった。
マストの一部が耐えられずに音を立てて折れ、帆を上げていた船員に襲いかかった。
船員は衝撃で海に放り出されていく。
「チィッ!」
舌打ちをたてて真っ先に向かったのは、レオリオ。
その後すぐにクラピカも向かい、片手を船に引っ掛け船員に手を伸ばすが僅かに届かない。が、
「ゴン!?」
後ろから駆けて行ったゴンが、あろうことか何も掴まずに船員に突っ込んでいった。
ゴンが船員の両手を掴み、ゴンの両足をレオリオとクラピカが慌てて掴む。
「ゴンやるなぁ。私もお手伝いしなきゃね」
「オ、オイ!何する気だ」
「引っ張り上げるに決まってるでしょ」
両手・両足にオーラを込めて、レオリオとクラピカの引っ掛けている側の手首を握る。
「せーーぇぇのぉ!!!!」
ゴンや船員もろともそのまま船上に引っ張り上げた。
念を使えば私だってこのくらいできるんだから。
「アンタ…ゴリラか何かか」
「失礼だな。逆に海に投げ込んでやろうか?」
私が船員たちにお礼と悪口を言われている中、ゴンは2人に怒られていた。
無謀なのもクラピカ達が足を掴まなかったら今頃ゴンは海底の彼方に消えていたのも同意するが、そんなところで決闘していた2人はどうなんだと言いたい。
しかしゴンは何か言い返すどころか
「でも、掴んでくれたじゃん!」とケロッとした表情を見せた。
そんなゴンに毒気を抜かれてしまったのか、2人は互いに自分の非を認めて謝罪をしあい、無事に仲直りしたようだ。
「はっはっはっ!!お前ら気に入ったぜ。
お前ら全員、オレ様が責任持って審査会場最寄りの港まで連れてってやらぁ!!」
「やったぁ!!!」
ゴンの嬉しそうな晴れやかな声が船上に響き渡った。