第1章 船旅と出会い
金さえあればなんでも出来る、なんでも手に入ると言うレオリオ。確かにお金は大切だ。お金が無くて諦めたことなんて大概の人があるに違いない。
ハンターの志望動機としてはありがちだし、船長もレオリオの回答に特に不満は無さそうだ。
…が「品性は金で買えないよ、レオリオ」というクラピカの言葉に彼はとうとう堪忍袋の緒が切れたようだ。
「3度目だぜ。表出な。その薄汚ぇクルタ族とかいう血を絶やしてやる」
「なっ!許さんぞレオリオ!撤回しろ!!!」
「レオリオさん、だ」
クラピカは自分は煽りまくるのに人から言われるとすぐに頭にくるらしい。2人は勝負する、と言って操縦室から出ていってしまった。
「おい、勝手に」
「そんなのh「放っておこうよ」」
私の言葉に被せられたゴンの言葉は意外だった。
ゴンのことだから止めに行こうとでも言うと思ったのに。
「オレには2人が怒っている理由がとても大切だと思うんだ。止めない方がいいよ」
「う…む」
「私はあの2人がどうなってもいいんだけどさ。
この嵐だし、なにかあったら後味悪いから様子だけ見に行かない?」
荒れ狂っている海に2人が叩き込まれようが、それは自業自得というものだが、何かがあった時に責任問題にされると困る。
それに、こういうこと言っておいた方が印象が良くならないかなという打算の気持ち。
ゴンも外の嵐が心配ではあるようで、同意してくれた。
「シキ様、私も行きます」
「リツは濡れると乾かすの大変だから中にいてよ」
「しかし…」
「え!?今リツ喋ったの!?喋れるの!?」
「リツはお利口さんだから話せるんだよ」
「すごーい!!」
「お前ら呑気なこと言ってねぇで…」
「船長!!あ、あれを」
舵をとっていた船員が震える指で目の前を刺すと
目と鼻の先に巨大な竜巻が渦巻いていた。
あんな大きな竜巻と当たったらこんな船はひとたまりもないと分かる。そうなれば全員、ハンター試験どころか海の藻屑だ。
「急いで帆を下ろせ!!ここはオレに任せろ」
「シキ!オレたちも手伝いに行こう!」
「そうだね」