第10章 行軍
「さ、帰るぞ」
路地裏に差し掛かると再びバニシュをかけられ堂々と正面から出ていく。辺りは自由に見ることが出来るのに自分たちは見えないとは。城から十分に距離が離れたのを確認すると私は気になっていた事を尋ねた。
「どうして……あの人を殺さなかったんですか?」
「ン?そんなことが気になるのですか?」
ケフカ様は先程の様子を思い起こすようにぐるりと視線をまわした。そうして肩で笑う。
「お前、アイツを殺せそうですか?」
「……っそれは…、」
「だろう。今日見ておきたかったのはお前を手放す態度だ、ヤツは私の発言を否定しなかった。食って掛かられたらあの場で殺してやりましたよ」
よしよし、と幼児にでもするように頭を撫でられる。成程、どうりで機嫌が良かった訳だ。