第10章 行軍
夜のドマは帰路につく人間や屋台で酒を交わす声で賑わっていた。城門を抜け路地に入るとバニシュが溶け、まるでさも初めからドマに居たかのように大通りへ踏み出した。
「拍子抜けですね、こんなに簡単に……」
「なにせ現代には魔法なんて存在しませんからねえ」
事も無げにケフカ様は言ったが確かにそうだった、無いものへ対策がされている筈がない。そう思うと『魔法』は恐ろしいほど戦争に向いていた。雑踏の中を見渡すが知った顔はない。
しかし貴族のエスコートのように私の手をかけさせたまま歩くケフカ様は淀み無くどこかへと向かっていた。
「行き先はどこなんですか?」
「何処だと思う」
ケフカ様が薄ら笑いを浮かべながらこちらを見た。