第5章 合同任務・第十班 狂気と料理の依頼人
シカマルは、先程のリストを頭の中で反芻した。──木ノ葉では見たこともないような猛獣・猛毒植物のオンパレードだった。
たとえば、肉食の大型カメレオン。
遭遇頻度は低いものの、景色と同化するため接近に気付くことが難しく、人を捕食した記録もあるという。
他にも、”動物イラクサ”、”ヌシナマズ”───二小隊もいて不利をとることはまずないが、リスクが高いことには変わりない。
更に、大国に挟まれている立地のせいで、草隠れすら把握していない設置されたままのトラップによる死亡する事例も発生している。
最後尾のシカクは、中衛を任されたシカマルに耳打ちした。
「シカマル、今回の任務、活躍しねえとな。」
クツクツと笑いながら揶揄う親父に「っるせえ」と返す。
同じようなことで、任務前にアスマにいじられたばかりだった。
──たしかに、こいつの前で格好悪いところは見せられねえ。
が、能力には向き不向きと高さがどうしてもある。
先程も、転んだ先でトラップを発動させたチョウジにより、巨大な丸太が降り注いだが、カルタが火遁で焼き払ったばかりであった。
『チョウジくんごめんなさい。フォローに入るのが遅れたわ』
カルタはそう言ってチョウジに手を貸した。
「ナイスフォローだ、カルタ」
と、シカクはくしゃっと髪を掻き混ぜた。カルタは猫のように目を細め、今にもゴロゴロ言いそうだ。
「昨晩はかなり雨が降りましたから、足場が安定しませんね」
「…オレ帰りた~い」
「アンタ何言ってんのよ、来たばっかりじゃない!」
カルタはムクロの足元に目を向けた。
以前、新品の靴に変えたばかりの時、運悪く芋堀の任務が当たってすぐに汚れてしまったことがあり、およそ一週間ご機嫌ナナメだったことがあるが、今日の靴はいつものと同じに見える。
こうもずっとイライラしているのは珍しかった。
カバネの傍若無人ぶりが不治の病なのは、ずっと一緒に生きてきたムクロが一番よく分かっているはずなのに。
「めんどくせぇ…」
『…んね。』