第3章 下忍・アカデミー編
演習場の森では、爆破音やらなにか大きいものがぶつかるドンッという音が絶え間なく響いていたが、暫くしてその音は止まった。
「鹿せんせ~捕縛したよ」
「流石カルタさん。私たち双子相手に、森でここまで逃げ回るとは。文字通り手を焼きました。」
と、寝癖のついていた髪をさらにグレードアップさせたカバネが、少し焦げた両手をヒラヒラさせながらシカクの元に歩いてきた。
その少し後ろを歩くムクロは、無表情…否、少し不服そうな顔をして縛られているカルタを横抱きにしている。
「はい。”裏切り者”の一本釣り~」
『…釣られました。』
シカクの目の前に、ムクロに縛り上げられたカルタがドサッと献上された。
「成程な。”裏切り者”は 髏々宮カルタ。それが結論か?」
「オレたちが下忍とか有り得ねーし」
「シカクさんも、流石にこうなることは読めていたのでは?」
「…それじゃあ、講評だな。」
シカクは、カルタの拘束を解こうと、彼女に巻きついたツタに手を伸ばした───
その瞬間、カルタを拘束していたツタが緩み、直後にシカクの身体が硬直した。
これは──
「金縛りの術か!!」
「忍は裏の裏を読め…といいますので。」
「オレらカルタの提案に乗ることにしたんだ~。…そっちのが面白ぇから。」
『ふたりが裏切り者は有り得ません。私も有り得ません。裏切り者はあなたです、奈良シカク先生。』
シカクの身体を双子が操作する蔦が覆う。
この三人相手、そう簡単に騙せるとは思っていなかった。が、
「お前たちを舐めてたかもしれねーな。」
「お褒めに預かり光栄です。」
ニヤリと笑ったカバネに、シカクは潔く負けを認めた。