第3章 下忍・アカデミー編
シカクの試験を種明かしすると、既に下忍になっていて、合格を妨害する”裏切り者”とはシカク本人だった。
血縁を共有する双子と、 髏々宮カルタ。
当然、彼女が不利になるだろうことも想定内。シカクの言葉を鵜呑みにし、味方を信じず、捕縛してくれば不合格にするつもりだった。
「お前ら、よく気付いたな。」
「ん~まあ、気づいたっつーか、オレは面白い方を選んだだけ~」
ムクロは、下忍になることに執着はない。忍になるのは、彼自身の一身上の都合というやつだった。
「私は違和感に従ったまでです。カルタさんの提案も魅力的でしたし。」
カバネも、下忍になることに執着はない。彼女の提案に乗って、結果裏切り者が彼女でも、それはお見事だったというだけの話だった。
「提案?」
それは議論になってすぐの話である。
カルタからしても、双子のどちらかがシカクに協力しているという線は捨てきれなかった。だが、その二択を当てるのは不毛だし、彼女自身が双子の信頼を勝ち得るのは難しかった。
なら、誰が裏切り者でも問題ないとしたらどうだろう?
『先生を捕まえに行こう』
”既に下忍である””我々の合格を妨害する”に最も当てはまるのは、シンプルに考えるならシカクだ…というより、これが恐らく正解だろうと彼女は確信しつつあった。
『仮に私が裏切り者でも、あなた方のどちらかがそうでも、下忍未満の私たちに負けた時点で、落とすことなんて出来ないよ』
「鹿せんせー捕まえんの?面白そ~」
「確かに。そもそも合格人数が三の倍数の時点で、我々から一人か二人だけ受からせるとは考えにくいですからね。」
そして、正面から狙ってもシカクには勝てないだろうと、思惑に乗ったフリをしてカルタを捕縛して差し出そうという結論に至った。
「ったく…俺は落とす気満々だったんだがな。上忍師なんて柄じゃねえ」
「先生。当然、私たちは合格ですよね?」
「鹿せんせー、今日から本当に鹿せんせーだね」
『シカク先生、今日からよろしくお願いします。』
「よりによってお前らを持つことになるなんてな…」
ニマニマと楽しそうな双子と、ワクワクを滲ませた瞳で見るカルタに、シカクは白旗を上げた。
▶︎章末あとがき