第1章 *
「…ん?はなちゃん、目元まつ毛ついてる。」
「え、どこ?」
私は顔を擦りながら問いかけた。
「ちょっと、じっとしてて」
段々ヤマトくんの顔が近づいて来て、私は反射的に目を閉じた。
「よし…とれた。」
私は閉じていた目をパッと開けて、慌てて「ありがとう」と言った。
私の心臓はバクバクと高鳴っていた。だって、ヤマトくん顔面良すぎなんだもん。
1人で顔を赤らめている私を見ながら、またヤマトくんは鼻で笑った。
「お前さ…、太一とはどこまでいってんの?」
「…え?どこまで…って?」
急な質問に思考が追いつかない。
「いや…。ところでさ、今ベッドに2人で座ってるけど。」
ヤマトくんに言われてハッとした。
私がもともと座っていたベッドに、まつげを取ってくれた時、ヤマトくんも移動したらしかった。
「あ…。」
また心臓がドクンと跳ねるのが分かった。今私絶対耳まで真っ赤だと思う。そんな顔を見られるのが恥ずかしくて思わず顔を手で覆った。
「…この状況で、そんな仕草されたらやばいんだけど…。」
そう言うと、ヤマトくんは私をベッドに押し倒し、私の両腕をクロスして私の頭上に押し付けた。
「ちょっ!ヤマトくん?!」
「さすがに、キスくらいはした事あるよな…」
そう言うと、私の唇にヤマトくんの唇が重なった。
「んんっ!?」
私は足をジタバタとさせ抵抗したが、男の力には勝てなかった。
そうしてる間に、ヤマトくんの舌が私の口をこじ開ける。
「ふっ…いやぁ…」
私は目に涙をいっぱい溜めてヤマトくんを見上げた。
「…煽ってる?」
ヤマトくんは、右手で私の手を抑えながら、空いた左手で私の涙を拭った。
その左手が頬を撫で、首筋を触れるか触れないかの距離でつーっと下に降りていった。
ヤマトくんの手が私の制服の中に入ってくる感覚が分かった。
「ひゃっ…ダメ…」
私は顔を背け、目をギュッと瞑った。
ヤマトくんの手がお腹を辿って、胸の膨らみに触れた。
そのまま焦らすように、既に硬くツンと立った蕾の周りを這うように円を描く。
ゾクゾクする感じに私の体は素直に反応していた。
「太一にもそんなエロい顔見せてるんだろ?」
ヤマトくんの問いかけに私はふるふると首を横に振った。
私と太一はキス止まりで、それもライトキスしかしたことがなかった。