第1章 *
「へぇ…初めてなの?」
意地悪そうに笑いながら、その手が私の蕾をキュッと摘んだ。
「あっ…」
今までとは違う刺激が体を襲った。その瞬間、自分のものとは思えない卑猥な声が出たことに驚き、下唇を噛んだ。
「声、我慢しなくていい」
キュッと摘んだ蕾をクリクリと弄りながら、私の耳元で囁いた。
耳にかかった吐息が私の興奮を更に高めた。
「ふぁ…あん…」
私の気持ちいい所を探るようにヤマトくんの舌が手が、体を這った。
そして、ヤマトくんの手が私の下着の中に入ってきたとき、玄関の開く音がした。
私とヤマトくんは顔を見合わせ、すぐに元の位置に座り直した。
私は乱れた髪と制服をさっと直し、火照る体を冷ますように手で仰いだ。
「ただいまぁ〜!アイス買ってきた!」
ヒカリちゃんを送り終えた太一が帰ってきた。
「お、おかえりっ!」
私は平常を装い答えたが、太一は異変に気づいたらしい。
「大丈夫か?なんか顔赤くね?」
「そ、そうかな!ちょっと部屋暑かったからかな…」
「じゃあアイス食おうぜぇ〜」
「あ…いいや、私もそろそろ帰ろうかな!」
太一と顔を合わせるのが気まずかった私は、そそくさと逃げるように部屋を出ていった。
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《太一side》
「んぁ?なんだあいつ。」
「太一、お前キス以上のこともしてあげろよ」
「はぁ!?なんだよいきなり!」
そりゃ出来ることなら俺だってシたいけど、あいつにも心の準備があるだろうし、俺も初めてだからなんか小っ恥ずかしくてキス以上は出来てない。
「あいつ、なんか言ってたのか?」
「さぁな。欲求不満はあるんじゃないか?」
なんだよそれ。はながヤマトになんか言ったのか?
明日聞いてみるか。
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《はなside》
私は自分の部屋に戻ってからも、体の熱さと太一への申し訳なさとでいっぱいになっていた。
(太一に連絡しようかな…。)
と携帯を探すが、見当たらない。
太一の部屋に置いてきた。それしか考えられなかった。